【管制業務】警備員の管制業務って何をするの?
警備業界の中で、現場で活躍する警備員の姿はよく知られていますが、
その“裏方”として、警備全体を支える重要な役割を担っているのが「管制業務」です。
イベントや工事現場など、多くの人が行き交う場所では、
安全と秩序を守るために、警備の配置や連携が欠かせません。
その調整を担うのが「管制担当者」なのです。
管制担当者は1号、2号、3号警備で業務の内容が大きく異なるため、
今回は、当社の『2号警備』での仕事内容を例に、
警備のプロフェッショナルとして第一線を支える“管制業務”について
分かりやすくご紹介します。
警備員の管制業務の目的
●警備を安全に進行するための適切な人員配置
●受注管理や労務管理など、業務遂行のための各種手配
●緊急時の即応体制の構築
イベント会場では多くの人が集まり、
少しの混乱でも群衆雪崩などの大きな事故につながる可能性があります。
群衆雪崩の例として、2001年7月21日、
兵庫県明石市の花火大会の会場に向かう歩道橋で、
群衆雪崩が発生し、11人が死亡、247人が重軽傷。
2022年10月29日、韓国ソウルの梨泰院で
ハロウィーンのイベント中に群衆雪崩が発生し、
156人が死亡するなどの事故が挙げられます。
そんな事故を未然に防ぐためにも、
警備員の配置や誘導方法を適切に決定し、
警備計画書・警備指示書を作成することも管制業務の役割です。
安全を「現場任せ」にせず、事前の段階から“守りの設計図”を描くこと。
それが管制業務の本質です。
管制業務の仕事内容
管制業務には多岐にわたる業務があり、警備現場を裏方から支える役割です。
●取引先からの受注管理およびその付帯業務
1.警備依頼の受注業務(緊急工事の要請含む)
2.依頼内容(場所や難易度、条件、道路使用許可証など)の確認。
必要に応じて実地踏査や事前検討会の開催、参加。
3.取引先が開催する災害防止協議会や特別安全協議会、その他会議への参加
4.大型イベント警備など、管理責任者として指揮参加
5.警備計画書と警備指示書の作成
6.施工体制台帳にまつわる書類作成と管理
●緊急時の対応
1.事故対応
2.クレーム対応
3.そのほか、欠員対応
※いずれも現場に駆けつけての一次対応含む
●従業員の手配および労務管理業務
1.警備員の基本情報、能力、行動範囲、相性などの管理
2.警備員の出勤スケジュール管理(有給休暇の申告受付や体調不良者の管理含む)
3.各現場へ警備員の配置と調整、指示業務
4.労務管理上必要な情報の管理(労務時間の管理、健康診断受診状況ほか)
5.その他必要書類の管理(住所・緊急連絡先・扶養控除申告書の管理ほか)
6.提出物の管理(警備報告書・交通費など)
7.警備員からの要望や相談事などの対応と解決
●警備業法にまつわる管理業務
1.新任研修の計画、実施および管理
2.現任研修の計画、実施および管理
3.巡回指導の計画、実施および管理
4.警備員名簿、退職者名簿、クレーム処理簿ほか備え付け書類の作成と管理
●人事にまつわる業務
1.面接業務
2.退職時の事務手続き
●総務
1.装備品や消耗品などの管理
2.寮や備品などの管理
管制業務をおこなう際のポイント
■マルチタスク力/丁寧さ
複数の業務が並行して進んでいくため、一つ一つの仕事をミスなく丁寧にこなしつつ、
マルチタスクに物事を進められる柔軟さが大切になります。
タスク管理やスケジュール管理が得意な方に向いています。
■冷静な判断力
事故やクレーム、トラブルが発生した際、
管制担当は冷静に情報を整理し、指示を出す必要があります。
混乱を最小限に抑えるために、事前の訓練と経験が大切になります。
■コミュニケーション力
事務業務がメインですが、時には警備員や顧客などと関わる機会もある仕事です。
緊急時の対応やクレーム対応などでは、
相手の気持ちを考えながら、誰にでも分かりやすい言葉で伝える能力が求められます。
■ 緊急事態への対応
災害、事故、暴風雨など、現場の安全を脅かす事態が起きた場合、
管制は迅速かつ的確に対応しなければなりません。
避難指示を出す、隊員の退避を指示する、
顧客に報告するなど、瞬時の判断が安全を左右します。
管制業務に必要なスキル
ここでは代表的なスキルを3つ挙げて解説します。
■事務などのテクニカルスキル
警備計画書の作成、無線機の操作、アプリを使った管理システムの利用など、
事務作業やPCに関する知識・技術も求められます。
特に、警備計画書は顧客や警察への提出が必要な重要書類のため、
作成経験やノウハウがあると重宝されます。
■ コミュニケーション能力
管制業務には、コミュニケーション能力が必要不可欠です。現場の警備員、顧客、警察など、関係者が多岐にわたる中で、的確に情報を伝える力が問われます。
また、トラブルが起きた際には「感情に流されず、相手の立場も考慮した説明力」が求められます。
■ リーダーシップ
警備員たちを管理する立場になるため、全体を見通す視野と、即座に指示を出せる判断力が必要です。
小規模な会社では、隊員として現場に立ちながら、管制も兼務するケースもあります。
その場合は特に、周囲に目を配りながら臨機応変に対応する力が重視されます。
まとめ
管制業務は、警備業務の中でもとりわけ“縁の下の力持ち”といえる存在です。
警備を円滑に進めるための様々な管理を行いながら、
現場の安全を陰で支え、隊員や顧客、地域住民の安心を守る重要なポジションです。
未経験からスタートする方にとっては、少し難しそうに感じるかもしれません。
しかし、現場での経験を積み、基本的な警備スキルを身に付けた後に管制業務を目指すことで、
より広い視野で安全管理に関わることができます。
これから警備員として働きたいと考えている方にとって、
将来のキャリアのひとつとして、
ぜひ「管制業務」という選択肢も覚えておいてください。
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