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仕事が奪われる?警備ロボットの現状

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仕事が奪われる?警備ロボットの現状

仕事が奪われる?警備ロボットの現状

テクノロジーは日々進化し、スーパーのセルフレジや、駅の自動改札、スマートフォンによる自動応答など、「人の仕事」が機械に代わる場面を目にすることも珍しくなくなりました。そんな中、注目されているのが「警備ロボット」の存在です。

従来は「人」が現場に立ち、周囲の状況を把握し、臨機応変に対応する仕事という印象が強い分野ですが、その一部をロボットが担うようになりつつあります。「ロボットに仕事を奪われるのではないか?」といった不安の声がある一方で、人手不足や作業の効率化といった課題への解決策としての期待も寄せられている警備ロボット。

今回は、警備ロボットの現状や技術的な仕組み、警備員との役割分担、そして今後の展望について分かりやすく解説します。

警備ロボットの導入背景と活躍する場面

■AIやロボット技術の進化と警備業界への影響
AI(人工知能)やロボット技術の進展により、
さまざまな業務が自動化されています。
警備業界も例外ではなく、
慢性的な人手不足や高齢化、深夜勤務の負担などの課題に対し、
ロボットの導入が解決策として注目されています。

■警備ロボットの活躍する場面と導入のメリット
警備ロボットは、ショッピングモール、
オフィスビル、空港、倉庫など、
さまざまな施設で実際に導入されています。
たとえば羽田空港では、自律走行型のロボットが巡回業務を担い、
異音や異常な動きを検知して警備員に通報するシステムが稼働しています。

ロボットは人間と異なり、
長時間の単調作業でも集中力を維持し、
常に安定したパフォーマンスを発揮する点が大きな強みです。
加えて、人間では気付きにくい温度の異常や
ガス漏れなども的確に検知することができます。
過酷な環境下や危険な場面においても
安全に対応できることから、
ロボットの導入による効果は非常に大きいといえるでしょう。

警備ロボットの種類と機能

■パトロールや巡回に使われるロボット
巡回型の警備ロボットは、
設定されたルートに従って自律的に
施設内外を移動しながら監視を行います。
周囲の映像をカメラで記録し、
センサーによって不審な動きを検知すると、
警備室などに即座に通報する仕組みになっています。

多くのモデルは屋内向けに設計されていますが、
屋外の広範囲をカバーできるタイプや、
空中から監視を行うドローン型のロボット
も開発が進んでいます。
近年では、鳥害・害虫対策、ガス漏れや
放射性物質の検知など、
より高度な機能を持ったモデルも登場しています。

■カメラやセンサーを搭載したロボット
このタイプのロボットは、
高性能カメラや温度センサー、
ガス検知器などの装備を搭載し、施設内の異常を
リアルタイムで監視・記録することが可能です。

たとえば、アメリカの「K5」は、
360度の視界と自動走行機能を持ち、
熱異常やナンバープレートの読み取り機能を備えています。

日本では、REBORG-Zが外国語対応の案内機能や火災初期対応機能を、
セコムロボットX2が監視カメラによる
放置物チェックや双方向通信機能を持つなど、
それぞれに特化した機能を有しています。

警備員と警備ロボットの役割と連携

■警備員と警備ロボットの役割の違い
警備ロボットは、決められたタスクやルートに従って、
正確に監視・報告業務を遂行する能力に長けています。
一方で、想定外の事態や人との
柔軟なコミュニケーションを必要とする場面では、
やはり人間の判断力や対応力が求められます。

また、現行の技術では、
ロボットが倒れた際に自力で起き上がれない
といった物理的な制限や、
侵入者を物理的に制止する能力を持たない
という課題もあります。
これらを補うためにも、人間との連携が欠かせません。

■人とロボットの連携による効果
ロボットが日常的な巡回や監視を
担当することで、警備員はより重要な判断や
緊急対応に集中することが可能となります。

ロボットが不審者を検知し、
警備員が迅速に現場対応するという連携は、
警備体制の質と効率を高める鍵となります。

ロボット技術やAI技術の解説

■ロボット技術やAI技術の基本的な理解
AI(人工知能)は、データをもとに学習し
、判断や予測を行う能力を持つ技術です。
画像認識や音声認識、
行動パターンの分析など、
人間に近い情報処理が可能です。

ロボットにAIを搭載することで、
環境に応じた柔軟な対応が可能となり、
従来の単純動作だけではなく、
複雑な判断を伴う業務にも
対応できるようになります。

■警備ロボットの動作原理
警備ロボットは、各種センサーやカメラで
収集した情報をAIが処理し、
設定されたルールやプログラムに基づいて行動します。
障害物を避けながら巡回したり、
不審な人物や物体を識別して通報したりする動作が代表的です。

その中核を担う技術に
「SLAM(自己位置推定と地図作成)」があります。
これにより、ロボットは自分の位置を把握しながら
周囲の環境を認識し、効率的に
移動・監視を行うことが可能となります。

警備ロボットの今後の展望

■警備ロボットの今後の展望と可能性
今後の警備ロボットは、
さらに高性能化が進み、顔認証による
個人識別、不審物の自動検出、
混雑状況のリアルタイム分析など、
高度な警備が現実のものとなるでしょう。

すでに国内外のさまざまな施設で
導入が進んでおり、
日本国内では成田空港や大手町パークビル、
美祢社会復帰促進センターなどでの実運用例があります。

■人間とロボットの共存に向けて
現在の技術では、特に交通誘導などの
2号警備においてはロボット単独での対応は難しく、
高速道路や複数車線の大通りなどでは、
ロボットによる事故のリスクも報告されています。

一方、山間部の信号管理など、
限定的な用途ではすでにロボットが
人の代替を果たしています。
このような場所では、ロボットの導入によって
人為的なミスが減少し、安全性の向上にも
つながっていると評価されています。

しかしながら、
それ以外の多くの交通誘導現場では、
依然として人力による業務が主流となっており、
警備員の熟練した判断や即時対応が
欠かせないのが実情です。

今後は、ロボットと人間が役割を分担し、
それぞれの強みを活かして
共存することが重要になります。
人間の判断力や柔軟性と、
ロボットの安定性や精度が組み合わされることで、
より安全で効率的な警備体制が実現されることが期待されます。

<まとめ>

警備ロボットは、進化を続けるAI技術とロボティクスの融合により、警備業務の新たな選択肢として注目を集めています。人手不足の補完や業務効率の向上といった面で非常に有効な手段である一方で、すべての業務を自動化するには依然として課題も残されています。

ロボットは「仕事を奪う存在」として捉えられがちですが、実際には人間の業務を支え、助け合いながら共に働く「頼もしいパートナー」としての役割を果たしています。人が担うべき業務と、ロボットが得意とする業務を明確に分け、互いに補完し合うことで、より安全で効率的な警備体制が構築されることが期待されます。


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