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警備員が通行止めを実施する必要性と役割のポイント

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警備員が通行止めを実施する必要性と役割のポイント

警備員が通行止めを実施する必要性と役割のポイント

工事現場やイベント会場、災害発生時など、
私たちの身近な場所で「通行止め」の看板を目にすることがあります。
その背後では、安全を守るために日々現場で活動している警備員たちの努力があります。

しかし、通行止めとひと口に言っても、法律的な制約や現場対応の難しさなど、
一般には知られていない重要なポイントが多く存在します。

本記事では、警備員が通行止めを実施する際の必要性・役割・注意点をわかりやすく解説します。
初心者警備員の方や、現場管理者として警備業務を理解したい方にも役立つ内容です。

通行止めを実施する必要性

■公共の安全確保と交通流の調整
通行止めは、交通の安全を確保し、交通流を適切に調整するために行われる重要な措置です。
例えば、工事現場やイベント会場などで、
特定の区域における交通を一時的に制限することで、作業員や参加者の安全を守ります。

こうした通行止めの実施は、単に「通さない」という行為ではなく、
周囲の交通流を全体的に整える行為でもあります。
通行制限を適切に行うことで、他の道路へのスムーズな迂回誘導が可能となり、

混乱や渋滞の発生を防ぐことができます。

■緊急事態への迅速な対応
通行止めは、緊急事態に迅速に対応するための手段の一つです。
例えば、火災や災害が発生した場合、特定のエリアに人や車両の進入を制限することで、
避難や救助活動を円滑に行うことができます。
現場での的確な判断と冷静な誘導が、被害の最小化につながるのです。

通行止めは、公共の安全を確保し、緊急事態に効果的に対応する重要な手段であり、
警備員の役割の中でも特に重要な要素です。

通行止めの基本手順

■警備員の配置と役割分担
通行止めを行う際、最初に重要なのが警備員の配置と役割分担です。
現場全体をカバーできるように、

交差点・出入口・見通しの悪いカーブなどに重点的に配置します。
各警備員には「進入防止」「誘導」「報告・連絡」などの役割を明確にし、

互いに連携を取りながら行動します。

■交通の一時的な停止手段の選定
次に重要なのは、通行を一時的に止める手段を選定することです。
これには標識やコーン、バリケードなどが使われます。
これらの道具を適切に配置することで、交通参加者に通行止めの情報が明確に伝わります。
警備員はこれらの道具を適切に使いこなし、交通の停止を行います。

ただし、警備員が行うのは「交通整理」ではなく「交通誘導」です。
ここには大きな違いがあります。

<交通整理>
警察官が行う行為で、法的な強制力を持ちます。
たとえ信号が赤でも、警察官の指示が優先されます。
<交通誘導>
警備員が行う行為で、あくまで「お願いベース」です。
信号を無視させるような指示はできません。

そのため、青信号時に一時的に止まってもらう「お願い」はできますが、
赤信号時に進ませることは違反となります。
この区別を誤るとトラブルの原因になります。
現場では、法令を踏まえたうえで、丁寧かつ安全に誘導を行うことが大切です。

通行止めにおける法的遵守と手続きの基本

■関連する法律や規制の把握
通行止めを実施する際には、道路交通法や自治体の条例など、関係法令の理解が欠かせません。
例えば、工事現場で車両の通行を制限する場合には、
工事会社が警察署から「道路使用許可書」を取得している必要があります。
この許可があることで、車両通行の迂回を促すことが法的に認められます。

ただし、人や自転車の通行を完全に遮断することはできません。
歩行者の移動を妨げることは「基本的人権の侵害」にあたるため、
警備員が腕をつかんだり、身体を押して止めるような行為は絶対にNGです。
このような行為はクレームやトラブルの原因となるだけでなく、
法的責任を問われる可能性もあります。

■通行止め時の報告義務と適切な手続き
また、通行止めを実施した際には、関係機関への報告義務が発生することもあります。
現場の状況・時間帯・理由などを正確に報告し、

警察や工事責任者と連携することが求められます。
これにより、現場全体の安全管理が徹底され、万が一の事故時にも迅速に対応できます。

コミュニケーションの重要性

■作業員間の円滑な連携
通行止めの現場では、警備員同士の連携と情報共有が非常に重要です。
手旗・無線・アイコンタクトなど、複数の手段を活用して指示を伝達します。
合図のタイミングや交代の手順を事前に打ち合わせておくことで、現場全体がスムーズに機能します。

■交通参加者との明確な情報伝達
通行止めを行う際には、交通参加者への明確な情報伝達が重要です。特に、ドライバーや歩行者に「なぜ止めているのか」を明確に伝えることで、不要なトラブルを防ぐことができます。
「工事中につき安全確保のため一時停止をお願いします」といった丁寧な声かけが信頼を築きます。


■緊急時の迅速な連絡と対応
万が一、緊急事態が発生した場合には、迅速な連絡と効果的な対応が求められます。
無線や電話で状況を共有し、指揮者や関係当局に即座に報告することで、二次災害を防止します。
こうした「連携力」こそが、通行止め業務を安全に遂行する鍵となります。

危機回避と安全対策のポイント

■周囲の状況を注意深く観察する
通行止めを行う際には、周囲の状況を注意深く観察することが重要です。人や車両の動き、道路の状態などに注意を払いましょう。これにより、突然の状況変化や危険を事前に察知しやすくなります。

■適切な安全装備の着用
通行止めの際には、適切な安全装備を着用することが必要です。これには安全帽や反射ベストなどが含まれます。これらの装備は、警備員自身の安全を確保するために重要です。

■道路標識やコーンの適切な配置
通行止めを行う際には、道路標識やコーンなどの交通誘導具を適切に配置することが必要です。これにより、通行参加者に対して明確な情報を伝えることができます。

■緊急時の対応策の確認
万が一、緊急事態が発生した場合には、適切な対応策を確認しておくことが重要です。警備員同士や関係当局との連絡手段や手順を把握し、迅速な対応ができるように準備しましょう。

まとめ

通行止めの実施は、単なる「通行の制限」ではなく、
現場全体の安全と秩序を維持するための重要な警備業務です。
警備員は法的な制約の中で、通行者やドライバーに協力を「お願い」する立場にあります。
そのため、強制的な行動ではなく、
丁寧な説明と的確な判断による信頼の構築が何より大切です。


また、通行止めの現場では
「配置」「法律」「連携」「安全」の4要素が密接に関係しています。

これらをバランスよく理解・実践することで、
警備員としての信頼性と現場対応力が高まります。


安全確保の最前線に立つ警備員は、社会の安心を支える縁の下の力持ちです。
通行止めという一つの業務にも、深い責任と使命感が込められていることを、
改めて意識していきましょう。


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